前回の投稿で高齢化社会の現実に触れる話を書いたけど、そんな矢先にこれまたすごい移住希望の方がやってきた。

まぁ、60代後半の男女が東京と大阪から移住してくるって電話で聞いた時点で、これは一体どういうシチュエーションだ??と困惑しましたよね。

会ってみてビックリですよ。
お二人は直接会ってからまだ1カ月半しか経ってないと言うのだから! しかもFacebookで知り合った仲だと言うのだからさらに驚く。
絵に描いたような関西人ノリで嘘か本当かよく分からないマシンガントークを展開する藤木由朗さん(以後、ヨシさん)の口から、そのことを聞いたときは普通に冗談だと思いました。
でも、お相手の鈴木幸子さん(以後、さぁちさん)に確認したら紛れもない事実でした。

にわかには信じがたい。
20歳の男女ならいざ知らず、高年期に入ったお二人が直接会うの2回目にして、一緒に移住する家を決めてしまうなんてッ!
勢いで動いちゃうのは若さの特権かと思ってたけど、そういうわけでもないんですねぇ。いやはや。

移住を決めるまでの流れはだいたいこんな感じ。

大阪で年金生活を送っていたヨシさんは、2年ほど前から「このまま死んでいくのか〜」という寂しさ駆られていた。そしてFacebookを始め、ものすごい勢いで友達数を伸ばした。その数なんと3カ月で5000人。顔写真と生年月日が出てる女性に片っ端からリクエストを送ったんだそう。恐るべき68歳。
めちゃめちゃ寂しがり屋さんですやん。

一方その頃。都内にて足を骨折した手持ちぶさたから、時間潰しにFBを始めたさぁちさんは、ヨシさんの投稿の中に、田舎暮らしをしたい内容を発見し、共感。猛烈アピール。やはり老後の2000万円問題が取り沙汰されたことが田舎暮らしを真剣に考えるきっかけになったらしい。

FBで繋がったのが、1年半前。そこから電話やメッセージで交流を深め、お互いの人生を振り返って共有していった。

お二人に共通して言えるのは、ひとえに老後独り身で暮らしていくことへの不安。額が知れている年金で、そこそこの家賃を払いながら都会で暮らすより、田舎に移住して広い家(それでも今の家賃より安い)で一緒に生活するほうが、金銭的にもずいぶん楽と考えたそう。だが何より、心を許せるパートナーと悠々自適な生活が送れるというところがやはり一番のポイントだろう。
移住を検討するにあたって、お互いの年金受給額を確認し合い、やりくりの計画を立てた。

それでも、忽那諸島の視察最終日に少し突っ込んだ過去話を聞いてると、「あら、その話は私聞いたことない」とさぁちさんは初耳の話題も。
その反面、この1年半の遠隔コミュニケーションはそうとう濃いらしく、互いにもう何十年も前から知り合いのような感覚なんだとか。

知れば知るほど不思議な移住カップル。新住居は事前に『離島の空き家』で目星を付けていた興居島の賃貸物件でほぼ決まり、11月頃から新生活がスタートする予定だ。

60余年も生きていれば、その人生にはものすごくいろいろなことがある。ないはずがない。わずか3日の中島滞在中だけでもかなり壮絶な過去の一旦を垣間見ることができた。
そういう過去を確かめ合うように、包み隠さずこれまでの道のりを語ってくれたお二人に感謝。

ヨシさんにとっては長年の悲願だった大好きな海辺暮らし。さぁちさんはヨシさんが釣ってきた魚を素材に大好きな料理。
波瀾万丈の人生の落ち着き先が忽那諸島になったこと、僕らの活動がその力になれたことを嬉しく思います。

そして、、、
全国的に見れば、今後の生活に不安を抱える高年期の単身者は相当な数になると思うので、今日のような話題はそういう人たちの希望となり得る話だとも思います。
なかなか真似できる行動力ではないとも思うけど・・・。まず3カ月で5000人て・・・・・・。
もちろんしがらみや世間体とかで、そういう願望はあってもアクションに移すことができない人がほとんどだと思う。その意味で賞賛に値するお二人。接していて奇妙なほど清々しさも感じました。
ヨシさんには「人生長くはないんだから、くだらない思い込みに囚われて悩んでいる暇はないんだよ!」と諭された気分です。

自分にとっての幸せとは何かを真剣に見つめ直し、思い切って行動に移したヨシさん&さぁちさんカップルの事例が、超高齢化社会に蔓延する不安感のブレイクスルーとして広く知られるといいなぁ。
ユニークツアーさんあたりが、熟年婚活ツアーの舞台として忽那諸島を使ってくれないかなぁ笑

さてさて、農音では引き続き、空き家情報の提供と入居希望者を随時受け付けております。
お気軽にご連絡を。

『離島の空き家』
https://ritou-akiya.com/

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